変形性膝関節症の父が叶えた夢

私の父には夢がありました。

京都で職人をしていた私の父は、柴犬が大好きです。
私が生まれてから44年。実家から柴犬がいなくなったことはありません。自宅には常に2、3頭のワンコがいて、自宅で子犬が産まれたりもしていました。

そんな父の夢は、セカンドライフで柴犬のブリーダーになること。
柴犬中心の生活は、父にとってまさに、理想の生活と言えるでしょう。私や弟が成人し、実家を離れて夫婦2人だけの生活。そんな平穏な日々を父は過ごしていました。

ですが、70歳を過ぎたタイミングで父は、自分の夢に向かって1歩を踏み出します。
実家を手放して、滋賀県の土山という田舎に夫婦2人で引越しました。庭にドッグランを作り、犬舎を設置して、友人から譲り受けた柴犬も含め、23頭と2人で生活をスタートしたのです。

順風満帆に見えた父のセカンドライフ。ですが、そうも行きませんでした。

変形性膝関節症。

画像をご覧になられても分かると思いますが、父の右膝は変形し、悲鳴をあげます。
父はもともとO脚でガニ股でした。51年間職人として、あぐらで仕事をしてきたので、ある意味、膝の変形は職業病みたいなものです。

加えて1日の歩数も大幅に増加しました。
父曰く「多い日で1日3万歩行く日も・・・」。柴犬の頭数が増え、散歩の量も増えたのですから当然と言っちゃ当然なんですが・・・。

父の右膝は腫れて、水が溜まり、歩くたびに痛みが走るまでに悪化していました。
地元の整形外科で、水を抜いてもらったり、リハビリに通院したり、サポーターで膝を補強したり。でも、一向に改善の兆しは診られませんでした。

「どうしたものか・・・。」

困り果てた父から相談を受け、私も父の右膝を診ました。
確かに膝は変形し、腫れてお世辞にもいい状態ではありませんでした。ですが、父には、もっと大きな問題が隠されていました。

それが　足部の変形　です。

父の右膝が変形し、腫れ、水が溜まる根本的な原因が、足首を中心にした足部にありました。人の骨格上、膝から下と足首は連動して動いています。これは全人類が共通するもので例外はありません。父の変形性膝関節症の原因は、足首にありました。

それを見つけた私は施術で父の膝を整え、骨盤矯正をし、姿勢を整えました。そして、ある特殊な装具を作り、足部をサポートしました。

あれから3年、実家に帰ると父の施術をするのが恒例になっています。
確かに父の右膝の不調が完璧になくなったとは言えません。ですが、父は今も30頭前後の柴犬の世話をしています。

作った装具を使いながら、今も元気にワンコの散歩をしています。
1日15000歩以上を歩きながら・・・　しかも、長靴で！

柴犬と楽しそうに過ごす父の笑顔。そんな笑顔が見えると、少しは親孝行できたのかなぁ？って、ちょっぴり嬉しくなりました。

そんなほっこりできた令和5年のGWでした。

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